PCTに基づく国際特許出願の現状
PCT出願を利用することで、世界144ヶ国のPCT締結国に対して、みなし全指定で出願日を確保することや、日本語で出願することができる。また優先日からおおむね30ヶ月で各国移行を行えばよいので、発明の市場性や標準化技術の動向を見極める猶予を得られる。また、PCT出願はすべて先行技術に関する国際調査が行われるため、各国移行する前に特許になりそうか否かをある程度判断することができる。
これを裏付けるように、日本からのPCT出願件数は、2010年では前年比7.9%増、米国につづき第2位の32148件とPCTは外国出願の手段として一般的に広く利用されている。最新の世界知的所有権機関(WIPO)の発表によると、2011年のPCT出願件数が前年比10%増の181,900件で過去最高となっている。これには中国からの出願増が大きな要員であり、出願人別では1位と3位に中国の通信機器メーカーが浮上し、前年首位だったパナソニックが2位となっている。
日本の国内出願の件数では、ここ数年減少傾向にあるものの、日本からのPCT出願件数は未だに年々増加している。これらのことは、ますます日本のみならず外国で特許権を取得し活用することが企業にとって重要な戦略となっていることを示している。
PCT国際出願の流れ
PCTに基づく国際出願を行うことの主なメリット
- PCT国際出願を行っておくことで、世界144ヶ国に提出したような出願日を確保できる
- ・1つの言語、1つの通貨、1つの様式で、日本国特許庁に手続きができる
- ・30ヶ月の国際段階
- ・形式的様式
- ・コスト削減